日本人が行っている代替医療への取り組み事情とは

医療の現場において急速に発展を遂げている、補完代替医療という医療をご存じでしょうか。西洋医学を補う医療を意味する【補完医療】、西洋医学に代わって代替的な医療の役割を指す【代替医療】をかけ合わせたものを【補完代替医療】といいます。

医療の基本となっている西洋医学ですが、これまで驚くほど研究と発展が進み、数多くの治療実績を挙げてきました。しかし、がんやアレルギー、精神疾患など通常の生活習慣や社会環境という様々な複合的要因で引き起こる疾患に関しては必ずしも治療完治する事ができないケースも多く発生しています。そのような場合に対処する為、西洋医学と組み合わせる事で効果を期待できる補完代替医療に注目が集まっています。

身近な場所で販売されているサプリメント、気軽に試す事ができるヨガや鍼灸治療など代替医療として挙げられるものは様々で、2001年には日本でも初のがん患者への代替医療の活用について、実態調査が行われています。その結果、がん患者の約45%が少なくとも1種以上の補完代替医療を取り入れている事がわかっており、利用されている療法で最も多いものが健康食品とサプリメントで約96%と、ほとんどの代替医療利用患者数を占めています。

利用目的の主はがんの進行抑制ですが、利用している患者数のうち、約半数以上が十分な情報や理解を得ずに取り入れている事も調査結果に現れました。代替医療に副作用があるものは少ないといわれていますが、補完代替医療という言葉の通り、西洋医学での治療では補完しきれない部分を補う事が目的である事を理解し、取り入れる際は担当医師と相談をしながら選択をする事が重要です。